2025 年 86 巻 3 号 p. 430-438
症例は67歳,男性.上腹部痛と貧血を主訴に前医を受診し,胆囊炎による胆道出血と診断された.出血コントロール目的にinterventional radiology(以下IVR)と胆囊亜全摘および胆管内Tチューブ留置が施行された.しかしながら,その後も止血が得られず,初回治療から2カ月半後に当院を紹介受診した.当院での精査の結果,遺残胆囊からの出血および総胆管内血腫と診断した.再度IVRを施行するも効果は得られず,遺残胆囊摘出を施行した.その後も出血が持続し,肝外胆管切除を施行した.最終的な病理診断結果は,遠位胆管原発の血管肉腫であった.胆囊原発の血管肉腫の症例報告は散見されるが,遠位胆管原発血管肉腫の報告は稀であり,ここに治療経過と考察を加え報告する.