日本臨床外科学会雑誌
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症例
経肛門的小腸脱出を伴う特発性直腸穿孔の1例
菅原 大貴安田 将佐藤 中佐藤 護藤田 正太山内 淳一郎
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2025 年 86 巻 3 号 p. 418-422

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抄録

症例は86歳,女性.1年前より直腸脱を繰り返しており,自主還納していた.排便時に肛門から小腸の脱出を認め,当院へ救急搬送となった.腹膜刺激症状は認めなかったが,肛門から暗赤色調の小腸が約150cm脱出していた.CTにて直腸前壁に穿孔部を認め,同部位より小腸の脱出を認めた.経肛門的小腸脱出を伴う直腸穿孔と診断し,脱出した小腸を用手的に直腸内に還納後,緊急手術を行った.直腸S状部前壁に20mm大の穿孔部を認め,同部位より小腸が直腸内に脱出していた.腹腔内に明らかな汚染はなく,脱出小腸には壊死所見は認めず温存可能であった.手術はHartmann手術を施行した.術後経過は良好であり,第23病日に軽快退院した.経肛門的小腸脱出を伴う直腸穿孔は骨盤臓器脱を繰り返す高齢女性にみられる稀な疾患であるが,その予後は比較的良好と考えられる.今回われわれは,経肛門的小腸脱出を伴う特発性直腸穿孔という稀な大腸穿孔を経験したため報告する.

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