2025 年 86 巻 3 号 p. 439-443
症例は52歳,女性.下血,貧血を主訴に入院となった.入院時検査で,Hb 6.6g/dl,血清鉄15μg/dlと高度の貧血,鉄欠乏を認めたが,その他の生化学検査および腫瘍マーカーに異常所見は認めなかった.腹部CTでTreitz靱帯よりやや肛門側空腸に35mmの囊胞性病変を認め,FDG PET/CTで同病変にSUVmax=3.24のFDG集積を認めた.以上より,粘膜下腫瘍として診断的治療として腹腔鏡下手術とした.手術所見では,Treitz靱帯近くの空腸に多房性の囊胞性腫瘍を認め,空腸部分切除により腫瘍を摘出した.病理組織検査結果では,空腸粘膜下にHeinlich II型に相当する異所性膵に卵巣様間質を有する粘液性囊胞腺腫を認めた.