日本臨床外科学会雑誌
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症例
同時性に3病変を認めたEpstein-Barr virus関連胃癌の2例
中口 雄太白神 直人岸 真示伊藤 卓資大西 隆仁
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キーワード: EBV, 多発胃癌, 同時性
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2025 年 86 巻 4 号 p. 518-522

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抄録

近年の胃癌治療は分子標的に応じた層別化治療が注目されており,Epstein-Barr virus(以下EBV)関連胃癌もその一つである.今回,同時性に3病変を認めたEBV関連多発胃癌を2例経験したので,文献的考察を加えて報告する.

症例1は92歳,女性.前庭部および胃体部の進行胃癌に対して胃全摘術を施行.手術標本では2病変の印鑑細胞癌およびEpstein-Barr virus encoded RNA(以下EBER)陽性のリンパ球浸潤癌を認め,計3病変の多発胃癌であった.症例2は81歳,男性.噴門部および胃体上部の早期胃癌に対して胃全摘術を施行.手術標本では低分化腺癌,管状腺癌およびEBER陽性のリンパ球浸潤癌を認め,計3病変の多発胃癌と診断した.

EBV関連胃癌は癌細胞の周囲にリンパ球の高度浸潤を認めることが特徴であり,全胃癌の約7%と報告されている.ただし,多発胃癌を母集団とした場合は約17%の存在率であるという報告もある.本症例のような多発胃癌症例においては,EBV関連胃癌を常に念頭に置く必要があると考える.

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