日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
術前に診断し腹腔鏡手術を行った仙骨前面のパラガングリオーマの1例
馬場 楓平木 将紹奥山 桂一郎武居 晋真鍋 達也能城 浩和
著者情報
ジャーナル フリー

2025 年 86 巻 4 号 p. 545-551

詳細
抄録

症例は78歳,女性.1年前から6kgの体重減少があり,当院を受診した.腹部造影CTで仙骨前面に26×24mmの腫瘤を認め,腫瘤内部は動脈相優位で不均一に強く増強され,右総腸骨動脈から分岐した血管と連続を認めた.造影MRIではT1強調画像で等信号,T2強調画像で不均一な高信号を認め,早期濃染,後期相で洗い出しを認めた.MIBGシンチグラフィーで腫瘤に高集積を認め,血中カテコラミンや尿中メタネフリンの上昇も認めたため,パラガングリオーマと診断した.術前にα-1受容体拮抗薬の導入を行い,十分な血圧コントロールを行ったうえ,腹腔鏡下腫瘍切除術を施行した.腫瘍は下腹神経原発と思われ,下腹神経と上下腹部神経を切離した.腫瘍の栄養血管の切離時に軽度血圧の低下を認めたが,腫瘍を把持しないよう注意し,血圧変動や合併症なく切除しえた.パラガングリオーマの治療は正確な術前診断と周術期管理が重要で,拡大視効果と緻密な鉗子操作が得られる腹腔鏡手術が有用であった.

著者関連情報
© 2025 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top