日本臨床外科学会雑誌
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症例
内科治療困難な貧血で胃全摘術を行った胃限局性若年性ポリポーシスの1例
犬塚 久総北原 弘恵吉村 昌記寺島 剛唐澤 幸彦
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2025 年 86 巻 5 号 p. 610-616

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抄録

胃限局性若年性ポリポーシス(juvenile gastric polyposis:以下,JGP)は,過誤腫性ポリープである若年性ポリープが胃に限局して発生する稀な疾患である.症例は44歳,女性.36歳時に胸やけの精査で上部消化管内視鏡検査を施行され,胃ポリポーシスと胃粘膜のびまん性発赤・出血を認め,急性出血性胃炎と診断された.半年前に吐血で来院,上部消化管内視鏡検査で胃全体に密生した易出血性のポリープを認めた.Hb 5.6g/dlまで低下したが,内科的治療で改善し退院した.今回も吐血で来院し,内科的治療で貧血は改善せず,手術目的に当科に紹介された.姉が胃ポリポーシスで胃切除術を施行されており,JGPと診断した.手術待機中に吐血しHb 6.2g/dlに低下,準緊急で開腹胃全摘術を施行した.摘出標本には胃全体にポリープが密生しており,病理組織学検査にて過誤腫性ポリープと診断された.内科治療困難な貧血に対して胃全摘術を施行したJGPの1例を経験したので報告する.

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