日本臨床外科学会雑誌
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症例
下行結腸癌に併存した小腸腸間膜脱分化型脂肪肉腫の1例
光井 大五十嵐 誠治氏家 大輔小林 美穂山岸 杏彌山下 直行河野 浩二
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2025 年 86 巻 5 号 p. 617-624

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抄録

下行結腸癌に併存した小腸間膜発生の脂肪肉腫の1例を経験したので報告する.症例は48歳,男性.下血症状の精査で行った腹部造影CTで,下行結腸癌の他に腸間膜内に強い造影効果を示す充実性腫瘤を指摘された.組織学的診断も兼ねて,腹腔鏡補助下行結腸切除術ならびに小腸間膜腫瘍摘出術を施行した.腫瘤は小腸間膜表面に隆起し,表面は平滑で弾性硬な腫瘤で黄白色調と紅白色調の部分が認められた.病理組織学的診断では線維性組織や浮腫状の間質を背景に多角形状~紡錘形細胞が認められた.周囲の脂肪様組織には脂肪芽細胞を含む異形細胞が認められ,異型細胞の多くがMDM2・CDK4・p16・CD34に陽性であり,脱分化型脂肪肉腫と診断された.術後676日に行ったMRIで局所再発が疑われ小腸部分切除を行ったが,腸間膜切除断端の近傍まで高分化型脂肪肉腫の成分がみられ,肉腫の後腹膜への進展が疑われた.その後二度の再発を認めたが,現在90カ月の長期生存を得ている.

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