日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹腔鏡下手術を行った骨盤内動静脈奇形を併存した下行結腸癌の1例
山元 英資小坂 芳和田中 仁高井 昭洋安岡 康夫
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2025 年 86 巻 6 号 p. 774-779

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抄録

症例は58歳,男性.高血圧症,僧帽弁閉鎖不全症にて近医に通院中.倦怠感,呼吸苦にて近医を受診,慢性心不全の診断にて加療を受ける.経過中Hb 3.0g/dLと高度貧血を認め,当院内科に紹介となる.下部内視鏡検査にて下行結腸脾彎曲部近傍に2型腫瘍を認め,生検にて高分化型腺癌と診断,貧血・心不全状態改善後,当科に紹介となる.Plain CTにて骨盤内左側に囊胞様構造を認めたが,これは造影CTでは拡張蛇行した血管であり左内腸骨動静脈と連続,同静脈は動脈相から造影され骨盤内動静脈奇形(AVM)と診断した.腫瘍の栄養血管は左結腸動脈であり郭清に伴うAVMへの影響はないと考え,AVMに対する処置は施行せず,腹腔鏡下左結腸切除術を施行した.術後約2年経過し,大腸癌再発・AVM増大・心不全症状等なく経過観察中である.

今回われわれは,骨盤内AVMを併存した下行結腸癌に対して腹腔鏡下手術を施行した1例を経験したので報告する.

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