2025 年 86 巻 6 号 p. 780-786
症例は77歳,男性.尿路感染症で前医を受診した際に施行した腹部CTで偶発的に骨盤内巨大腫瘤を認めたため,精査加療目的に当院へ紹介となった.腹部造影CT・腹部MRIで骨盤内正中に分葉状腫瘤を認め,S状結腸間膜腫瘍を疑い,診断的治療を兼ねて腫瘍摘出の方針とした.開腹高位前方切除,腸間膜腫瘍摘出術を施行した.合併症なく,術後9日目に自宅へ退院した.その後再発は認めていない.病理組織学的に免疫染色でS100蛋白は陽性,CD34・c-kit・α-SMAはいずれも陰性であり,神経鞘腫と診断した.S状結腸間膜神経鞘腫は稀であり,若干の文献的考察を加えて報告する.