日本臨床外科学会雑誌
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症例
前処置による高Mg血症に対し大腸ステントを留置した閉塞性S状結腸癌の1例
谷 直樹杢谷 友香子谷田 司中田 健山内 周山田 晃正
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2025 年 86 巻 6 号 p. 787-791

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抄録

症例は72歳,女性.血便を主訴に来院し,S状結腸癌,cT4aN0M0,cStage IIbと診断され手術の方針となった.手術前日にピコスルファートナトリウム水和物・酸化マグネシウム・無水クエン酸(ピコプレップ®)を用いた機械的前処置を行った.手術当日の朝に意識障害を発症し,閉塞性大腸炎による敗血症性ショック,急性腎障害,高マグネシウム(以下,Mg)血症を認めた.高Mg血症に対して持続的血液濾過透析(以下,CHDF)を行い,血清Mg値は低下し意識障害は改善した.閉塞性大腸癌に対して大腸ステントを挿入し,腸管減圧を行い,全身状態が改善した後に,待機的に原発巣切除を施行した.術後合併症なく経過し,術後10カ月現在,無再発生存中である.

本症例は,前処置により高Mg血症をきたしたが,CHDFと大腸ステント挿入により待機的に安全に手術加療を行った症例であり,文献的考察を含めて報告する.

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