日本臨床外科学会雑誌
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症例
維持透析患者に発症し治療に難渋した十二指腸ガストリノーマの1例
内山 まり子貝沼 修夏目 俊之野手 洋雅吉岡 隆文
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2025 年 86 巻 6 号 p. 812-817

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抄録

慢性腎不全で維持透析中の54歳,女性.十二指腸潰瘍穿孔に対し,緊急で大網被覆術を行った.PPIで汎血球減少をきたしたためH2ブロッカーの投与に切り替えたが,多発潰瘍からの出血および難治性の下痢が持続した.造影CTで十二指腸に濃染する多発結節を認め,SASIテストにより胃十二指腸動脈領域のガストリノーマと診断した.そこで,オクトレオチド投与を開始し腫瘍の縮小と出血のコントロールが得られたため,亜全胃温存膵頭十二指腸切除を行った.切除標本では十二指腸壁内に4.5mmに縮小したガストリノーマとNo.8リンパ節に転移を認めた.術後は胃空腸縫合不全から汎発性腹膜炎を併発し集中治療を要したが,保存的加療で軽快し入院143日目に転院となった.透析患者の十二指腸ガストリノーマは極めて稀であり,その周術期管理でオクトレオチドは有効であった.

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