日本臨床外科学会雑誌
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症例
膵温存全十二指腸切除術を行った家族性大腸腺腫症十二指腸腺腫の1例
月岡 純藤田 正太郎八島 玲田畑 憲一門馬 智之野水 整河野 浩二
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2025 年 86 巻 6 号 p. 805-811

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抄録

症例は46歳,女性.17歳時に家族性大腸腺腫症(FAP)の診断で大腸亜全摘・回腸囊肛門管吻合術,23歳時にデスモイド腫瘍にて切除術を施行し,32歳,36歳,37歳時に回腸囊ポリープに対し経肛門的内視鏡切除を施行した.30歳時より十二指腸ポリープ(tubular adenoma)を認め,内視鏡サーベイランスを継続していた.45歳時,十二指腸LST病変に対しESDを施行し,adenocarcinoma(tub1,pTis)の診断に至った.半年後のサーベイランスにて1.2cm大の早期癌を疑う0-IIa病変を認めた.修正Spigelman分類Stage IVに該当し病期の進行を認めたため,手術目的に当科に紹介となり,膵温存全十二指腸切除術(PSTD)を施行した.FAPにおいては十二指腸腺腫が約30~90%でみられ,癌化する可能性もあると報告されており,十二指腸癌が大腸癌に次いで予後規定因子になりうる合併疾患と考えられる.十二指腸腺腫において修正Spigelman分類Stage IV以上では手術が考慮されるが,術式選択に関してはエビデンスに乏しく議論の余地がある.文献的考察を加えて報告する.

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