日本臨床外科学会雑誌
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症例
術後11年目に肝転移再発をきたした膵神経内分泌腫瘍の1例
馬場 楓伊藤 孝太朗田中 智和井手 貴雄能城 浩和
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2025 年 86 巻 6 号 p. 818-822

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抄録

症例は72歳,男性.膵体部の8cm大の膵神経内分泌腫瘍(膵NET G2)に対し膵体尾部切除,脾臓摘出術を施行した.再発なく経過していたが,術後11年目の定期フォローアップのCTにて肝S8に3.8cm大の腫瘤性病変を認め,膵NETの肝転移再発が疑われた.その他に転移性病変はなく,腹腔鏡下肝S8亜区域切除術を施行した.肝再発巣の病理診断結果はNET G2で,初回手術と同様の病理所見であった.術後経過は良好で,術後8日目に退院して現在まで8カ月間再発なく経過している.膵NETは他の上皮性悪性腫瘍と比較し進行が遅く,緩徐に発育するとされる一方,肝臓を中心に高頻度に他臓器転移をきたし,根治切除後も再発をきたす可能性があるが,そのほとんどは術後10年以内の再発である.今回,膵NET術後11年の長期経過後に肝転移再発をきたし,腹腔鏡下に根治切除しえた非常に稀な経過の症例を経験したので報告する.

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