日本臨床外科学会雑誌
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症例
膵管内管状乳頭腫瘍との鑑別診断が困難であったIPMNの1例
内藤 善鈴木 善法川原田 陽奥芝 俊一小山田 ゆみ子三橋 智子平野 聡
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2025 年 86 巻 7 号 p. 938-943

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抄録

副膵管に結節性腫瘍として観察され,膵管内管状乳頭腫瘍(ITPN)と膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)との鑑別が困難であった膵管内腫瘍を経験したので報告する.症例は56歳,男性.健診での腹部エコーで膵管拡張を指摘された.副膵管内に結節性腫瘍を,また,副乳頭部十二指腸粘膜に陥凹を伴うびらんを認め,生検にて腺癌と診断された.さらに,膵管造影により膵管癒合不全を認めた.以上より,ITPNおよび十二指腸浸潤と診断し,亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した.標本では,副膵管内に15×9mm大の腫瘍を認め,粘液を含まない異型上皮が乳頭状・管状に増生しており,一部に十二指腸筋層への浸潤を認めた.免疫染色では,MUC1・MUC6が陰性,MUC2・MUC5ACが陽性であった.臨床所見ではITPNを積極的に疑ったが,免疫染色の結果からはIPMNを疑う所見となり確定診断に至らなかった.

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