日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹腔鏡観察後に鼠径部切開法にて修復した腎移植側鼠径ヘルニアの1例
多木 雅貴新田 敏勝久保 隆太郎佐田 昭匡石井 正嗣石橋 孝嗣
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2025 年 86 巻 7 号 p. 944-949

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抄録

腎移植側の鼠径ヘルニアの修復術を行うに至っては,移植尿管を含む解剖の同定が困難になるため手術に難渋することが多い.今回,われわれは腎移植後の両側鼠径ヘルニアに対して,蛍光ガイド尿管カテーテルを用いて移植尿管を確認し,安全に修復を施行しえた症例を経験したので報告する.症例は61歳の男性で,7年前に多発性囊胞腎による慢性腎不全に対して右腸骨窩に生体腎移植を受けている.精査の結果,両側鼠径ヘルニアの診断に対して,腹腔内観察後にLichtenstein法で修復を行った.術前に移植尿管に蛍光カテーテルを留置しておき,術中に発光させることで移植尿管を任意のタイミングで確認しながら操作を行い,安全に手術を行うことが可能であった.文献検索において,移植尿管の損傷や膀胱損傷を認めて再手術を要した症例も認めており,蛍光ガイドによる解剖把握は安全性を高める有用性のある手技と考える.

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