2025 年 86 巻 7 号 p. 932-937
胆囊出血は稀な病態であるが,当科では異なる治療を施した3例を経験した.症例1は38歳,男性.右季肋部痛を主訴に受診し,造影CTで胆囊内に造影剤漏出を認め,胆囊炎穿孔による胆囊出血を疑い,緊急開腹胆囊摘出術を施行し術後9日で退院となった.症例2は60歳,女性.右上腹部痛を主訴に受診し,CTで胆囊出血と術前診断し,腹腔鏡下胆囊摘出術を施行した.術後,総胆管内血腫が疑われたが再検CTで改善を確認し,術後5日で退院した.症例3は79歳,男性.COPD急性増悪で内科入院中に胆囊炎と胆囊出血が疑われたが,保存的加療にて症状も改善,退院となった.悪性所見の有無を精査する方針としていたが,2カ月後に腹痛にて当院救急外来を受診し,急性胆囊炎の診断で緊急腹腔鏡下胆囊摘出術を施行,術後3日で退院となった.いずれも病理所見は慢性胆囊炎で悪性像を認めなかった.各症例の経過と文献的考察を加えて報告する.