2025 年 86 巻 8 号 p. 1018-1024
症例は74歳,女性.左乳房腫瘤を主訴に当科を受診した.左乳房BD区域に12mm大の分葉状腫瘤を認め,精査の結果,左乳癌の診断となった.また,左乳房C区域にも15mm大の境界明瞭な腫瘤を認め,画像所見から線維腺腫(FA)を疑った.左乳癌cT1cN0M0 stage I,Luminal typeに対し,左乳房全切除+センチネルリンパ節生検を施行した.BD区域病変については左乳癌pT1cN0M0 stage IAの診断となり,C区域腫瘤についてはFA内に発生した非浸潤性乳管癌(DCIS)および非浸潤性小葉癌(LCIS)の診断となった.FA内に癌が発生する頻度は0.1%前後とされ稀である.文献的考察を加えて報告する.