2025 年 86 巻 8 号 p. 1102-1107
症例は45歳,男性.臍部の膨隆を主訴に受診した.常染色体顕性(優性)多発性囊胞腎(autosomal dominant polycystic kidney disease:ADPKD)の既往があり,腹部は緊満し,臍部に3.5cm大の膨隆を認めた.CTで臍部に一致して17mm径のヘルニア門を認め,臍ヘルニアの診断でsubcutaneous onlay laparoscopic approach:SCOLA法による臍ヘルニア修復術を選択した.ADPKDに伴う多発肝腎囊胞による腹腔容積上昇のため,通常よりもワーキングスペースは限られていたが,腹直筋前鞘前面の層を維持することで,安全かつ十分に剥離が可能であった.臍部に2cm大のヘルニア門を認め,縫合閉鎖後にonlay meshを留置した.術後合併症なく,現在に至るまで再発なく経過中である.SCOLA法は本症例のようにADPKDなどで腹腔容積が上昇している症例にも,安全かつ低侵襲にアプローチでき有用である.