日本臨床外科学会雑誌
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症例
高カルシウム血症を伴ったPTHrP産生若年性線維腺腫(径20cm)の1例
増野 浩二郎増田 隆伸前田 哲哉卜部 省悟池部 正彦板東 登志雄宇都宮 徹
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2026 年 87 巻 2 号 p. 176-181

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抄録

悪性腫瘍に伴う高カルシウム(Ca)血症は日常診療でしばしば遭遇する病態である.破骨細胞活性化因子であるPTHrPが腫瘍細胞で産生され,骨吸収促進状態となることが高Ca血症をもたらす機序の一つである.PTHrPを産生する腫瘍の多くは悪性腫瘍であるが,良性疾患である若年性巨大線維腺腫において経験したので報告する.15歳,女性.右乳房の径20cmの腫瘤にて当科を受診した.胃部不快感,易疲労感を伴っていた.血液検査にて血清Ca値12.4mg/dLを認め,PTHrP高値を伴っていた.腫瘤の針生検は線維腺腫の診断で悪性所見は認めなかった.手術で右乳房腫瘤は摘出されたが,標本検体内に悪性所見は認めず,免疫染色にて腫瘍内の一部の腺管上皮にPTHrPの産生が認められた.術後速やかに血中Ca濃度は正常化し,症状も軽快した.乳腺良性腫瘍にてPTHrPを介した高Ca血症を伴った症例報告は今までになく,ここに報告する.

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