日本臨床外科学会雑誌
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症例
過長症を伴ったS状結腸が嵌頓したS状結腸間膜裂孔ヘルニアの1例
中島 亮杉戸 伸好村元 雅之
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2026 年 87 巻 2 号 p. 200-204

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抄録

症例は60歳,男性.嘔吐,排便停止を主訴に救急外来を受診した.造影CTの結果,S状結腸の一部がclosed loopを呈しており,内ヘルニアによる絞扼性腸閉塞と考えられた.大網裂孔ヘルニアと術前診断し,緊急手術を行った.開腹すると,以前の虫垂炎手術による癒着を右下腹部に認め,剥離を進めると3横指ほどのS状結腸間膜裂孔へのS状結腸の嵌頓を認めた.愛護的に腸管を引き抜いたところ,腸管虚血や損傷を認めなかった.S状結腸は過長症を伴っていた.間膜裂孔を縫合閉鎖し手術を終了した.S状結腸間膜裂孔による内ヘルニアは比較的稀であり,内ヘルニア全体の数%とされる.以前の文献では脱出腸管の多くが小腸と報告されているが,本症例では過長なS状結腸がそれ自身の間膜裂孔に嵌頓する病態が生じていた.非常に稀と思われる形態の内ヘルニアの1例であり,文献的考察を加えて報告する.

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