日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
髄液細胞診にて診断した大腸癌による癌性髄膜炎の2例
河原 樹浅井 竜一木山 茂田島 ジェシー雄松橋 延壽
著者情報
キーワード: 癌性髄膜炎, 大腸癌
ジャーナル フリー

2026 年 87 巻 2 号 p. 205-211

詳細
抄録

癌性髄膜炎は大腸癌での発生は稀である.髄液細胞診にて診断した大腸癌を原発とする癌性髄膜炎を2例経験した.症例1:76歳,男性.直腸癌術後の肝および遠隔リンパ節転移に対して,三次治療中であった.意識障害をきたし造影MRIで異常を認めなかったが,髄液細胞診にて癌性髄膜炎と診断した.対症療法により一時的な意識障害の改善を認めたが,入院27日目に永眠した.症例2:80歳,女性.横行結腸癌を原発とする副腎および多発遠隔リンパ節転移に対し,一次治療中であった.意識障害をきたし造影MRI,髄液細胞診にて癌性髄膜炎と診断した.対症療法に加え化学療法と全脳照射を行ったが,入院23日目に永眠した.意識障害や嘔吐,頭痛などの神経症状を認める際は癌性髄膜炎を鑑別に挙げる必要がある.低分化腺癌や高度リンパ節転移を有する症例は高リスクとされる.造影MRIが有用であるが異常所見を認めない場合もあり,癌性髄膜炎を強く疑う場合には髄液検査を考慮すべきである.

著者関連情報
© 2026 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top