2026 年 87 巻 2 号 p. 212-215
症例は48歳の男性.人間ドックで十二指腸水平部に12mm大の有茎性の粘膜下腫瘍を指摘された.診断的治療の目的で,まず上部消化管内視鏡下の内視鏡的粘膜切除術(EMR)を実施し,一括切除された.病理組織検査でNET G1の診断であった.リンパ管侵襲が認められたため,当科に紹介となった.追加切除の方針とし,リンパ節郭清の目的で膵頭十二指腸切除を施行した.切除標本に腫瘍の遺残はなく,リンパ節転移は認められなかった.十二指腸神経内分泌腫瘍(NEN)に対する治療は,腫瘍径10mm以下かつ深達度SMまででは内視鏡的粘膜切除術(EMR)が推奨されているが1),非乳頭部の神経内分泌腫瘍は非常に稀な疾患であり,治療方針やリンパ節転移の予測因子などのコンセンサスは得られていない.今後,さらなる症例の蓄積が待たれるところである.