腹壁ヘルニアを,腹壁瘢痕ヘルニアと原発性ヘルニアである臍ヘルニア・白線ヘルニアに分けて解説する.診断には問診・身体所見に加え,CTが治療法の決定手段として重要である.手術は開腹手術と腹腔鏡下手術に大別されるが,腹腔鏡下手術が増加傾向である.メッシュ修復が再発率低減に有効で,メッシュ留置部位はretromuscularが推奨されている.近年はeTEP法やMILOS法などの新しい低侵襲手術が導入され,疼痛や術後合併症の軽減が期待されている.術後合併症には予防を含めた周術期の治療戦略が重要であり,症例に応じた適切な術式選択や合併症対策が求められる.臍ヘルニア・白線ヘルニアでは無症状例には経過観察が推奨されるが,症候性ヘルニアや嵌頓リスクが高い場合には手術が検討されるべきで,腹直筋離開を伴う場合はSCOLA法など新しい腹腔鏡下手術も選択肢となる.患者背景や病変に応じた適切な術式選択,手術手技と周術期管理が必要である.