2026 年 87 巻 4 号 p. 437-440
症例は67歳,男性.6年半前に胃癌に対して腹腔鏡下幽門側胃切除術,Roux-en-Y再建の既往があり,体動困難となり救急搬送された.来院時BMI 14.3kg/m2(体重40kg)とるい瘦,両下腿浮腫,胸水・腹水を認めた.Alb 1.3g/dL,PNI 18.5と低栄養を認め,精査加療目的に入院した.中心静脈栄養を中心とした栄養介入を行ったが改善せず,胃切除後の二次性膵外分泌機能不全による栄養吸収障害の可能性を考え,膵酵素補充療法としてパンクレリパーゼの投与を開始した.投与開始から1カ月でAlb 2.2g/dL,PNI 34.7に上昇し自宅退院した.投与開始から3カ月で体重は47.2kgまで増加し,1年でAlb 4.1g/dL,PNI 51.3まで上昇した.胃癌術後の低栄養に対して栄養指導や栄養剤補充で改善しない場合,二次性膵外分泌機能不全を念頭に置く必要があり,パンクレリパーゼの投与が有用である可能性がある.