2026 年 87 巻 4 号 p. 441-446
症例は73歳の男性で,食思不振と倦怠感を主訴に,かかりつけ医を受診したところ腹部腫瘤と貧血を認め,当院へ紹介となった.CTでは胃の壁肥厚と#8リンパ節の高度腫大を認め,上部消化管内視鏡では胃体部小彎側を中心とする2型病変を認めた.血液検査ではCEA・CA19-9の上昇に加えてAFPが高値だったため,AFP産生胃癌と診断した.総肝動脈や膵頭部に浸潤が疑われた25mm大の#8リンパ節の根治的な郭清は困難と判断して,CapeOX療法とニボルマブを組み合わせて化学療法を6カ月間行った結果,胃原発巣と腫大したリンパ節は著明に縮小し,conversion surgeryの方針とした.手術は開腹下幽門側胃切除術を行った.術後12カ月経過した現在も無再発生存中である.