全日本鍼灸学会雑誌
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三重県の透析施設を対象とした鍼治療に関するアンケート調査
櫻庭 陽向井 雄高桝田 文八
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2010 年 60 巻 2 号 p. 209-215

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抄録

【目的】今後の鍼治療普及の可能性を検討するために、 三重県内の透析施設を対象にアンケート調査を行い、 透析患者の愁訴状況や透析医療における鍼治療の現状とそれに関わる問題点を明らかにした。
【方法】三重県内の全透析施設 (2007年2月現在、 50施設) に対して、 郵送により透析患者の身体状況と鍼治療に関するアンケートを実施した。
【結果】三重県内で鍼治療を導入している透析施設は6.0%であったが、 患者に鍼治療を薦めないと回答した施設は無く、 導入に対して興味がないという施設も少なかった(15.4%)。 多くの患者が訴え、 施設でも対応に困っている症状は先行研究でも鍼治療の効果が示されている 「かゆみ」 や 「痛み」 であった。 普及における問題は 「安全性」 という回答が多かった。
【考察】スタッフが対応に困っている症状である 「かゆみ」 や 「痛み」 に対する鍼治療の効果は報告されているが、 鍼治療を行っている三重県透析施設はわずかだった。 しかし、 鍼治療を薦めない施設はなく興味も持っていたことから、 鍼治療導入の可能性は低くはないと思われる。 普及に向けては 「安全性」 やインターフェイスの不足という問題点を解決して、 情報ネットワークを構築する必要がある。

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© 2010 社団法人 全日本鍼灸学会
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