全日本鍼灸学会雑誌
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原著
灸頭鍼における艾球の中心温度と落下地点の温度
長岡 里美新原 寿志日野 こころ谷口 博志角谷 英治
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2013 年 63 巻 3 号 p. 167-175

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抄録
【目的】灸頭鍼の艾球中心温度と落下地点の温度を測定し、 鍼柄接触による熱傷と艾球落下による熱傷に注意すべき時間帯について検討した。
【方法】灸頭鍼には、 ステンレス製毫鍼と灸頭鍼用艾を用い、 艾球のサイズは、 0.15 g (直径 13±1 mm)、 0.30 g (直径 16±1 mm)、 0.60 g (直径 24±1 mm) とした。 艾球の中心温度測定は、 K 型熱電対温度センサプローブを艾球の中心に挿入して、 また、 落下地点の温度測定は、 刺鍼点の外方 2 mm に測定プローブを静置することにより行った。 落下地点の温度は、 艾球を任意の時点で強制的に落下させて測定した。 各測定は 5 回ずつ行い、 結果は平均±標準偏差で表した。
【結果】艾球中心の最高温度は、 艾球 0.15 g、 0.30 g、 0.60 g で各々569±26℃、 606±26℃、 624±48℃であり、 要した時間は、 各々72±8 秒、 109±4 秒、 167±14 秒であった。 一方、 45℃未満となる時間は、 各々点火後 180±8 秒、 227±2 秒、 345±13 秒であった。 艾球 0.15 g において、 点火後 30 秒で落下させた場合の落下地点温度は、 落下後 1 秒、 5 秒、 10 秒の時点で各々60±6℃、 97±7℃、 137±11℃であり、 45℃未満となるまでには点火後 120 秒を要した。 艾球 0.30 g において、 点火後 30 秒で落下させた場合、 各々66±7℃、 96±6℃、 129±2℃であり、 45℃未満となるまでには点火後 180 秒を要した。 艾球 0.60 g において、 点火後 30 秒で落下させた場合、 各々64±5℃、 97±6℃、 124±10℃であり、 45℃未満となるまでには点火後 270 秒を要した。
【結論】艾球の中心温度すなわち測定センサプローブの測定値を鍼柄の温度とみなした場合、 抜鍼時の鍼柄接触による熱傷は、 艾球 0.15 g、 0.30 g、 0.60 g において各々点火後概ね 180 秒、 240 秒、 360 秒まで、 一方、 艾球の落下による熱傷は、 各々点火後 120 秒、 180 秒、 270 秒まで注意する必要があると考えられた。
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© 2013 社団法人 全日本鍼灸学会
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