2023 年 73 巻 4 号 p. 234-240
月経困難症や月経前症候群 (PMS)/月経前不快気分障害 (PMDD) は月経関連疾患の代表であり、 女性のQOLを著しく損なう。 大学女性アスリートを対象とした実態調査では、 実に44.3%の学生が練習・試合でのパフォーマンス障害を自覚する。 さらに、 高校生アスリートを対象とした検討では、 月経困難症よりもPMS/PMDDによって、 より練習・試合でのパフォーマンス障害を自覚しており、 月経困難症の治療ではPMS/PMDDも同時に視野に入れる必要がある。 月経困難症に対する治療として、 LEP・OC製剤 (いわゆる避妊ピル) が汎用されているが、 頻度は低いが重篤な合併症の血栓リスクを考慮する必要がある。 さらに、 日本においては、 ホルモン製剤に対する一般での受け入れは不良であり、 治療をためらう患者も多い。 一方、 漢方や鍼灸治療はこれらに対して禁忌とはならず、 また患者の受け入れも良好であることからも、 有望な代替療法となりえる。 以上のようなPMS/PMDDも視野に入れた月経困難症治療は、 アスリートに限らず、 すべての女性がベストパフォーマンスで活躍するうえで、 留意すべきであると思われる。