全日本鍼灸学会雑誌
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基調講演
未病スコアの開発と今後の応用
未病知が鍼灸を持続可能にする
戸村 多郎
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2023 年 73 巻 4 号 p. 228-233

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抄録

鍼灸施術の多くは不定愁訴、 いわゆる未病である。 したがって、 東洋医学的診断である 「証」 が、 個々人で変化するのは当然と言える。 残念ながら、 西洋医学に慣れた国民にとって、 同じ症状でも使うツボが変わるため、 「どこを刺激しても同じなのではないか」 と受け取られてしまう。 これまで鍼灸師自身が、 証という評価の基準を説明/研究してこなかった責任は大きいと言えるだろう。 未病スコア (五臓スコア) の開発では、 鍼灸師ごとに違う証などの影響を極力排除し、 不定愁訴 「一つ」 では評価できなくても、 「複数」 を組み合わせることで証の客観化・共通化を目指した。 今、 政府は、 国民の健康に東洋医学の 「未病」 概念を活用しようとしている。 国民一人ひとりが未病を知り、 養生に繋がってはじめて効力を発揮する。 鍼灸の研究は、 已病への 「効果」 だけでなく、 未病も 「評価」 するものでなければならない。 それが鍼灸師の活躍の場を広げることになる。

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