鍼灸治療の主な効果発現機序として、 『疼痛抑制系の賦活』 『組織循環への影響』 『過緊張筋の弛緩』 が挙げられる。 これらの作用については、 それぞれの分野で基礎研究がなされ、 多くの知見が得られている。 また、 その結果を踏まえて行われる臨床研究において、 結果の考察として多く用いられるキーワードとなっている。 このことからも分かるように、 鍼灸治療の多くは器質的変化ではなく、 機能的変化をもたらす治療として活用されている。 一方、 「再生医学」 は、 明らかな器質的変化を要する領域であり、 本シンポジウムで取り上げた 「再生医学と鍼灸」 というテーマは、 従来の鍼灸治療とは異なる新たな領域への挑戦と言える。 今回の講演では対象組織として、 『末梢神経』 『骨』 『腱』 『筋』 を取り上げ、 各々に関するこれまでの研究成果が提示された。 本稿では、 その内容を概説する。