2025 年 75 巻 2 号 p. 255-266
症例報告のレポーティングガイドラインであるCARE guidelineによると、 症例報告は、 医学的・科学的・教育的な目的で、 1人または複数の患者が経験した医学的問題を記述したものと記述されている。 過去に生じたサリドマイド事件は症例報告から端を発し、 世界の診療行動を変えた。 このことは、 日々の臨床での気づきを症例報告という形で報告することの重要性を物語っている。 では、 鍼灸学研究において、 どのように症例報告に取り組むべきだろうか。 本パネルディスカッションでは篠原氏、 米倉氏、 井畑氏、 加用氏が登壇し、 症例報告の意義について議論し、 症例報告が自身の研鑽につながり、 日々の臨床に還元されること、 また、 よりエンビデンスレベルの高い研究に繋げられること、 そして、 多職種連携につながることが症例報告の意義として述べられた。 また、 司会の石山氏は、 本学会教育研修部若手分科会が本パネルディスカッションに際して実施した会員を対象とした症例報告に関するアンケートの結果を公表し、 会員の多くは症例報告に興味を抱いているものの、 実際に取り組むことに障壁を抱いていることが浮き彫りとなった。 障壁には、 症例報告の方法論に関する知識の不足や指導者がいないことなどが挙げられた。 これらを解決していくことで、 鍼灸学研究の発展を図ることができる可能性がある。