全日本鍼灸学会雑誌
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総説
非アジア開発途上国における鍼灸事情
-アフリカ・ナイジェリア-
安藤 文紀鶴 浩幸北小路 博司
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2025 年 75 巻 2 号 p. 267-276

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抄録

ナイジェリア共和国における鍼療法の制度的位置づけ、 教育および臨床の実態に関して、 補完代替医療と従来の医療の観点から論述した。 ナイジェリアでは、 伝統医療は西洋医学導入以前から、 地域社会に深く根付いており、 現在も人口の約60~80%が利用している。 政府は世界保健機関の方針を受けて、 伝統医療の制度化に取り組み、 伝統医療従事者と代替医療従者は、 国家医療システムに含まれることを法に明記している。 しかし連邦政府は伝統医療・代替医療について、 規制管理のための法律を制定していないため、 制度化はできていない。  鍼療法は代替療法の一つであることが法律で明記され、 鍼療法の専門教育を行う高等国家ディプロマを提供する大学などの教育機関や、 施術者の免許・登録は存在するが、 国は鍼療法の教育・臨床の水準、 免許・登録などに関する指針を示さず、 法制度も整備していない。 一方、 州は州法を制定し、 伝統医療の規制管理を進めてきたが、 併せて鍼療法など代替医療の管理規制も州単位で進めている。 合法的に施術を行うために、 施術者は関連する規制機関の認定を受け登録することが必要である。 ただし、 その実施方法やライセンスの要件など規制の枠組みは、 州ごとに異なる。  従来の医療では、 国のガイドラインの中で、 鍼療法が疼痛に対する非薬理的治療手段であることが明記されている。 6年の専門教育により育成される理学療法士は、 毎年の免許更新に必要な継続的専門能力開発プログラムや大学院教育などで鍼療法の教育を受けることができ、 鍼療法を理学療法士の治療法の一つとして実施しているが、 このことは広く知られていない。  鍼師による代替医療としての鍼療法が医療と統合するためには、 連邦政府による鍼療法・鍼師の標準化、 規制管理のための法律の制定が必要になると考えられる。

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