ハリの鎮痛効果を増強する物質とされるD-フェニルアラニン (D-phenylalanine) を, 抜歯術に前投薬として応用し, その効果を検討した。
方法はハリ麻酔単独で行った対照群31例と, ハリ麻酔30分前にD-フェニルアラニンを, 前投薬した試験群9例の抜歯術におけるハリ麻酔効果を比較することにより行った。
対照群, 試験群ともに, 抜去歯に合わせて選穴したツボに, 中国針を刺針してハリ麻酔器に接続し, 約30分の誘導時間を経て抜歯術を行った。そしてそのハリ麻酔効果を2群間で比較した。効果判定はスコア1から5に分類し, それを著効・有効・やや有効・無効に判定した。
その結果, 対照群のハリ麻酔成功率32%に対し, D-フェニルアラニンを前投薬した試験群の方が, 78%とハリ麻酔効果がより優れていた。