全日本鍼灸学会雑誌
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歯牙刺激による痛みの客観的測定法
測定法の確立と応用
松本 勲渡辺 嘉彦横山 訓典池園 悦太郎佐野 晴男
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1982 年 32 巻 1 号 p. 5-9

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抄録
疼痛閾値の測定法に, 歯牙を電気的に刺激して疼痛を誘発し, 刺激の強さと被験者の訴える痛みの大きさとの関係から痛み感覚を客観的, 定量的に測定を試み, 更に, 経穴に経皮的低周波通電をし, 上記関係をどのように変化させるかを検討して, 歯科保存領域の鎮痛法として応用することを目的に, 14人の医師を被験者に実験し以下の結果をえた。
結果は, 刺激の強さと痛みの関係では再現性良好な pre-pain, tolerable pain, intolerable pain の3点が観察され, 低周波通電で pre-pain, tolerable pain は変化しないが intolerable pain が上昇し, 鎮痛を生ずる群と, 変化せず鎮痛の生じない群の2群に大別され比は1:1であった。従って intolerable pain は痛みの客観的測定に利用出来る。
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