皮膚の低電気抵抗点が経絡・経穴に一致して存在し、内臓疾患と密接な関連があるとされている。本研究では、実験的に胃潰瘍を作成したラットを用い、耳介部の低電気抵抗点の出現部位、頻度を矩型波法によって調べると共に、発汗との関連についても検討した。胃潰瘍作成の手術後4~14日にわたり、低電気抵抗点の出現頻度は著明に増加し、潰瘍の自然治癒の見られる術後21日では急激に減少を示した。また、低電気抵抗点の出現部位、頻度と、発汗の観察された部位、その量との間には、密接な関連のあることが認められた。
以上のことから、内臓疾患に伴う皮膚の低電気抵抗点の出現は、主に汗腺活動の賦活によるものと考えられた。