全日本鍼灸学会雑誌
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実験性胃潰瘍ラットの耳介部低電気抵抗点の発現機序に関する研究
川喜田 健司河村 広定慶野 裕美
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1982 年 32 巻 1 号 p. 10-13

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抄録

皮膚の低電気抵抗点が経絡・経穴に一致して存在し、内臓疾患と密接な関連があるとされている。本研究では、実験的に胃潰瘍を作成したラットを用い、耳介部の低電気抵抗点の出現部位、頻度を矩型波法によって調べると共に、発汗との関連についても検討した。胃潰瘍作成の手術後4~14日にわたり、低電気抵抗点の出現頻度は著明に増加し、潰瘍の自然治癒の見られる術後21日では急激に減少を示した。また、低電気抵抗点の出現部位、頻度と、発汗の観察された部位、その量との間には、密接な関連のあることが認められた。
以上のことから、内臓疾患に伴う皮膚の低電気抵抗点の出現は、主に汗腺活動の賦活によるものと考えられた。

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