抄録
当施設に来所した慢性肝障害者を対象に, 自覚症状と肝機能検査を主とする生化学検査を指標として, 鍼灸と薬剤 (主として漢方薬) との併用による治療効果の有用性について, 8例を対象に1年間にわたり観察した。治療穴は右期門, 右不容, 中〓, 足三里, 三陰交, 太衝, 至陽, 膈兪, 肝兪, 脾兪穴を基本的施治部位とし, それ以外の穴は患者の愁訴に併せて適宜運用した。治療は週2回を原則とした。その結果, 血清GOT, GPT, γ-GTPの有意な改善を認め, 血清蛋白の増量が認められた。また, 自覚症状においても改善が有意に認められた。以上のことから, 鍼灸および薬剤の併用治療は慢性肝障害に対して有効性を示唆したものと思われる。