1982 年 32 巻 2 号 p. 40-46
体壁からの物理的療法 (鍼および皮膚表面電極刺激) が神経因性膀胱に対し, どのような効果を有するかを検討した。
対象患者は73症例 (男50例, 女23例) で, 年齢15~78歳 (平均59.8歳) である。
神経因性膀胱鑑別の指標として, 膀胱内圧, 尿流量および尿道内圧を測定し, 膀胱容量, 残尿量の変化について観察検討した。
その結果は, 交感神経系の過緊張のための排尿困難の症例では, 排尿状態の改善が71.4%に認められた。また, 低緊張膀胱においても, 少数例ではあるが排尿状態の改善するものが認められた。
神経因性膀胱に対する排尿状態の改善を図る方法として, 皮膚表面電極刺激を応用した鍼麻酔方式の効果は臨床的に有意義であると考える。