1983 年 33 巻 1 号 p. 42-49
第1報では, 12正経と奇経の走行と古典的経絡の相違, またその符合率について述べた。
本論文では, 同一患者(被験者)で, PSC (循経感覚伝達現象) の調査を行った結果, 特筆すべきいくつかの事項についての観察結果を紹介した。
すなわち, 心経を除く正経と督脈, 陰維脈は, 主訴である頭部へ響いた。鍼響を最も長く感じた経絡は, 陰維脈で, 最も幅広く現われたのは, 腎経, 膀胱経, 陽維脈であった。PSCに左右差はなく, 再現性が認められた。鍼響の途中で指圧をすると, そこを起点として, 飛んで鍼響が始まった。PSCは加温により, 鍼響の距離が長くなった。