全日本鍼灸学会雑誌
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高血圧の針治療 (第4報)
内田 輝和藤原 秀雄井元 利明岡田 成喜井上 博雄本田 泰弘川野 由倫子竹内 克成小坂 二度見
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キーワード: 高血圧, 耳針法, 降圧点
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1983 年 33 巻 2 号 p. 185-190

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抄録

明らかな基礎疾患を有しない本態性高血圧患者に対して, 耳介の降圧点を利用し, 皮内針のみによる降圧効果を検討した。
降圧剤を服用しない高血圧群, 境界域群の患者では, 著効32%, 有効52%で, 本法による降圧効果を84%に認めた。降圧剤服用の高血圧群, 境界域群の患者では, 著効21%, 有効29%で, 本法による降圧効果を50%に認めた。3ヵ月間の長期観察例においても, 収縮期, 拡張期血圧ともに有意の低下を示した。
血漿レニン活性は針治療1週間後に低下する傾向をみせるが, 正常範囲内の変動であり, 生理的意義があるとは考えにくい。降圧作用についての作用機序は不明である。

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