星状神経節刺針 (SG刺針) は交感神経系を刺激するが, 脈拍数は減少させることをすでに報告した。そこで, 今回は副交感神経機能を反映するといわれている心電図のR-R間隔を指標として, 24人の患者を用いて, SG刺針と経穴刺針 (神門穴と〓門穴) との対比を行ないその影響を検討した。その結果, 心拍数の平均値は, 刺針で両群とも1~3回/分減少し, その変動係数は, SG群は4.2%から1~2%上昇, 経穴群では4.1%から1%上昇し, R-R間隔の平均値は, SG群は39~47msec. 延長, 経穴群も, 20~44msec. 延長した。変動係数は, SG群のみ4.2%から1%上昇した。以上より, 両群とも副交感神経系にも作用を及ぼしていることが判明した。