抄録
He-Neレーザーを用い, ラットの創傷治癒に及ぼす効果を基礎的に検討した。
ウイスター系ラットの背部皮下に20mmの円形欠損創を作製し, He-Neレーザー照射を行った。無刺激コントロール群, 4J照射群, 10J照射群の3群に分けてまず, 至適照射熱量を求める実験を行った結果, 4J照射群で最も創傷治癒の促進効果が見られた。次に4J照射を用いて至適照射期間を求める実験を行った。無刺激コントロール群, 隔日照射群, 早期照射群, 4日おき照射群を設けて検討した結果, 4J隔日照射群に有意の創収縮効果が見られた。以上の結果より, 今回の実験において, 4J隔日照射が至適な照射条件であることが示唆された。