全日本鍼灸学会雑誌
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デジタル心機図による片麻痺患者と健常者の判別分析
篠原 鼎根本 宏三丹沢 章八
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1989 年 39 巻 3 号 p. 290-299

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抄録

健常者の左手と右手の重回帰分析を行った結果, 単相関行列においても偏相関行列においても, 危険率1%あるいは危険率5%の相関がほぼなく, 左手の四変数あるいは右手の四変数は, ほぼ独立変数であることが判った。また片麻痺患者の健側と比較するため, 健常者の左手と健常者の右手のどちらを選択するかの必要があり, それぞれの単相関行列と偏相関行列を検討した結果, 健常者の左手の方がより良いことが判った。さらに健常者の左手と片麻痺患者の健側の判別分析を行った結果, 判別関数式は, 以下のS―S間隔 (脈間隔), S―P時間 (動脈立上時間), S―C時間 (駆出時間), Dh/Ch% (切痕有無) の関数として表現できることが判った。
Z=(2.330E-05)S-St+(-5.329E-02)S-Pt+(-5.151E-03)S-Ct+(1.339E-02)Dh/Ch%+6.947
健常者と片麻痺患者の判別境界値は, 0.391である。すなわち, 判別得点が判別境界値未満の場合は, 脳血管障害傾向があり, 判別得点が判別境界値以上の場合は, 健常者傾向があるとの, 総合判断が可能となった。

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