1989 年 39 巻 4 号 p. 391-399
下肢の末梢血流を増加させるための, 最も効果的な経穴を知る目的で, Burger 氏病及び難治性下腿潰瘍の患者を対象に, 種々の経穴(次〓, 三陰交, 血海, 足三里, 解谿, 懸鐘) に鍼通電刺激を行い, 各経穴の血流増加効果を比較検討した。血流の測定方法は, レーザードップラー血流量計を用い, 各経穴への鍼通電刺激後の患側下肢末梢血流の変化を経時的に測定した。Burger 氏病及び難治性下腿潰瘍患者共に, 両側次〓穴鍼通電刺激で, 片側刺激や他の経穴刺激より明らかな末梢血流の増加が認められた。
このことから, Burger 氏病及び難治性下腿潰瘍などの阻血性疾患に対して, 両側次〓穴鍼通電刺激は有用な補助療法に成り得ると考えられた。