全日本鍼灸学会雑誌
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下腿部陽経の経穴に関する標準部位の研究
元吉 正幸山川 忠治木下 晴都
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1989 年 39 巻 4 号 p. 400-407

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抄録
下腿部の経穴部位を決定するため, 文献の考証並びに実測に基づいて検討した。経穴の部位を定めるのに必要な条件は基準尺度であるが, 下腿の外側は膝から外果までが16寸, 後面は膝窩から踵骨上縁までが16寸と骨度篇に記されており, これが陽経の経穴を定める基準である。胃経は足三里と解谿が解剖学的に定まり, 上巨虚, 条口, 下巨虚, 豊隆は文献に記載され距離で配分した。胆経は陽陵泉, 陽交, 外丘, 光明, 陽輔, 懸鐘は各分寸にしたがって比例配分を行った。ただし, 陽光と外丘は同様の高さに並ぶが, 外丘を最外側にして, 腸交を腓骨の後縁に定めた。膀胱経は昆侖を解剖学的に決定し, 合陽, 承筋, 承山, 飛場, 附陽は, 委中から昆侖までの高さを16寸として, 文献記載の距離に準じて比例で配分した。とくに承山と飛揚は同一の高さになるが, 承山を後面中央に, 飛揚を外方に定めた。
経穴は, 鍼灸医学の基礎であり, 鍼灸治療には欠かすことのできない問題である。しかし, この経穴部位については,「素問」,「霊枢」を始めとして, 現在まで多数の文献が残されているが, 年代によって古典の記載に異説があったり, 解釈の方法によっても, 経穴の部位が異なったりする。また, 古典の経穴部位は分寸で表示しているが, 年齢, 性別, 身長, 肥痩などの差による問題も生じる。現在, 日本経穴委員会では, 可能な限りその経穴の発見者の意向に近づけ, 原著者の考えに基くという目的で, 調査研究が進められている。また, WHO西太平洋地域事務局の主催による会議が, 1981年より開催され, 経穴の国際標準化のために検討が行なわれたが, 我々も経穴部位を決定する一助として, 下腿部陽経の経穴について, 古典文献の考証と人体の実測に基づいて検討し, 標準部位を定める研究を行った。
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