艾〓の密度および高さの違いが透熱灸刺激の量や質にどのような影響を与えるのかを明らかにするため, 石綿板上で燃焼させたいわゆる米粒大艾〓の底面の温度変化を, 熱電対を用いて計測し検討した。
その結果, 高さ5mm, 底面直径3mmの円錐形の艾〓の最高温度は平均値が140℃から160℃の間であった。艾〓の密度 (mg/11.8mm3) と温度持続時間 (秒) との間には有意な直線回帰が認められた (y=1.9+3.2x, r=0.92, p<0.0001)。高さの違う艾〓の温度上昇速度 (32~45℃) に有意差は認められず, 高くひねった艾〓ほど緩やかに熱が伝わるという論拠は見出せなかった。
今回得られた結果から, 艾〓の密度は, 透熱灸の熱の持続時間すなわち刺激量に影響を与える重要な因子の一つであると考えられた。