全日本鍼灸学会雑誌
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ストレプトゾトシン糖尿病ラットに対する鍼治療の効果 (I)
中村 弘典黒野 保三石神 龍代堀 茂皆川 宗徳鈴木 光
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1996 年 46 巻 2 号 p. 80-84

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抄録

糖尿病には多くの病型があり, 病態も多種多様であり, ストレプトゾトシン処理による糖尿病はインスリン依存型といわれている。我々は鍼治療の糖尿病への有効性について検討するため, ストレプトゾトシン糖尿病ラットに対し鍼治療を行い, 空腹時血糖値及び体重の変化について検討した。その結果, 鍼治療群は対照群に比べ空腹時血糖値において有意な低下が認められた。また, 鍼治療群は対照群に比べ体重が増加する傾向にあった。さらに, 鍼治療群は対照群に比べ体重1g当たりの空腹時血糖値において有意な低下が認められた。
以上のことから, ストレプトゾトシン糖尿病ラットにおいて鍼治療は血糖を低下させ, 体重増加を促進することがわかった。因果関係についてはまだ不明であるが, 膵臓のβ細胞のインスリン分泌障害や末梢でのグルコースの代謝に対する何らかの影響などが推察された。

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