全日本鍼灸学会雑誌
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上頸神経節への刺鍼方法の解剖学的検討
森 俊豪竹下 イキコ尾崎 朋文坂本 豊次西崎 泰清北村 清一郎
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1996 年 46 巻 2 号 p. 70-79

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抄録

遺体を用いて計測した上頸神経節と体表指標構造との位置関係から, 乳様突起下端の30mm下方で, 頸部外側から頸椎横突起の直前に向けて水平方向に刺鍼する外側刺入法と, 舌骨端外端を刺入点とし, 上方45度, 外方15度に向けて頸椎横突起前面まで刺入する前部刺入法の2つの上頸神経節刺鍼法を考案した。ついで, 上記刺鍼法による刺入鍼の神経節への的中率と, 刺入鍼の周辺諸構造との位置関係を別の遺体で調べ, 外側刺入法では, 神経節への的中率は高いものの, 内頸動・静脈や外頸動脈を貫く可能性の高いこと, および前部刺入法では, 的中率はやや低くなるものの, 内頸動・静脈や外頸動脈を貫く可能性が低いことを明らかにした。

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