1996 年 46 巻 4 号 p. 340-344
当診療所において我々が鍼治療を行った五十肩の症例を集積し、鍼治療の効果について検討した。
1) 21例の五十肩の症例が集積された。
2) 鍼治療経過中に15例 (71%) の自覚症状が改善した。
3) 鍼治療後に運動時痛の67%、安静時痛の44%、夜間痛の56%で一時的軽減 (数時間~数日間) を認めた。
4) 治療後に疼痛軽減が得られなかった症例は、脱落する傾向がみられた。
五十肩に対する鍼治療は、疼痛の軽減に対して効果的であった。また、運動療法の併用により、拘縮予防に役立つ期待がもたれた。