全日本鍼灸学会雑誌
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鍼灸専門学校学生の意識-進路動揺の有無における差-
長谷川 紀代子河井 正隆
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1998 年 48 巻 2 号 p. 149-161

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抄録

【目的】鍼灸専門学校に入学した学生は、卒業に至る過程の中で、鍼灸師という職業人として社会化されていく。その過程中に、どのような意識で学習活動を行っているのであろうか。今回、筆者の1人 (河井) が実施した「鍼灸学科学生の意識調査」をもとに、「進路動揺」をキーワードとして再分析を行ったのでここに報告する。
【方法】全国の鍼灸専門学校3年生、591名 (回収率82.0%) を対象に検討した。
【結果】まず、3年間の就業年限の中で、進路動揺を「来した」学生は73名 (12.4%) 、「来さなかった」学生は450名 (76.7%) であった。結果の一部を以下に述べる。1.学習に対する動機づけは、進路動揺の有無にかかわらず、「臨床実習」であった。2.卒業後の希望進路では、「開業志向」に対し、「来した」学生は60.6%「来さなかった」学生は82.1%であった。
【考察】1.「臨床実習」は、学生が学習活動を進める上で最も強い動機になりうる。2.進路動揺は、卒業後の希望進路にも影響を与える。

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