全日本鍼灸学会雑誌
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合谷鍼通電における内因性鎮痛と経絡の関係
石丸 圭荘関戸 玲奈咲田 雅一
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2003 年 53 巻 2 号 p. 184-189

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抄録

これまでの鍼通電鎮痛 (electro-acupuncuture analgesia : EAA) に関する研究から、低頻度EAAでは中枢神経系を介する下行性抑制系や内因性鎮痛系が賦活され鎮痛が発現することが報告されている1-7) 。しかし、その鎮痛効果と経絡との関連は未だ明確にはされていない。また、Farberらにより合谷鍼通電によってその所属経絡である手陽明大腸経上に顕著な鎮痛効果が発現することが報告されているが、その機序は不明である8) 。そこで我々は、刺激経絡上で特異的に痛覚閾値が変化するのか否かを知る目的で合谷EAAにおける、合谷の所属経絡 (手陽明大腸経) と他経絡上 (手太陰肺経) および前額、腹部、下腿部の経穴上での痛覚閾値の変動を比較した。また、同時に血漿β-endorphin濃度を測定し、合谷EAA発現における内因性鎮痛物質と経絡との関係について検討した。

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